2017/10/30
「地震のとき、マンションや高層ビルの上の方の階が揺れが大きい」
「ゆっくりと長く揺れているような気がする」
地震が発生したときに、このようなマンションや高層ビルの揺れの話を聞いたことがあったり、実際に体験された人も多いかと思います。
マンションや高層ビルなどは、その構造上、上の階にいくほど揺れが大きくなりますので、耐震基準を満たしていない建物は建設できないようになっています。
しかし、中古マンションなど、1981年6月以前に建てられたマンションなどは、現在の耐震基準を満たしていない場合もあります。
そこで今回は、中古マンションを購入する前に確認しておいた方がいい耐震について書かせていただきます。
マンションなどの耐震基準は、建築基準法によって定められていますが、その内容は1981年6月に大きく変わり、これ以降に建設されたマンションだけなく、1981年6月以前に建設されたマンションもこの耐震基準に合わせるようにしなければならなくなりました。
しかし、マンションに住む人の負担などが発生することもあり、耐震工事についてマンションと管理組合で揉めているところがあるのも事実です。
そのマンションにあと10~20年住むと考えている人と、5年くらいで引っ越そうと考えている人など、住人によって考えている住む年数がバラバラなので、費用をどうするかの折り合いがつかない場合が多いようです。
耐震基準は、躯体(建物の骨組など構造)に関わってくる問題です。
そのため、マンションの外観や部屋の内装がきれいだったり、部屋のリノベーションが行われているかどうかは関係ありませんので、しっかりと確認しておく方がいいと思います。
また、耐震対策といっても、「耐震」、「免振」、「制震」など、いくつかの種類があります。
耐震対策の種類 | 耐震対策の内容 |
耐震 | 地震などによる大きな揺れでも倒壊しないように、建物そのものを補強する |
免震 | 建物建設時に基礎部分と建物の間に免震装置を入れることで、地震の揺れを逃がして建物に伝えないようにする |
制震 | 建物の内部にオモリなどの制震対策用の部材を入れることで、地震の揺れを吸収して揺れにくくする |
これらの耐震対策はどれも有効ですが、建物の外観などを見ただけでは、どのタイプの耐震対策が行われているかまではなかなか分かりませんので、もしマンションの耐震対策の状況を調べてもよく分からない場合は、不動産屋さんに聞くか、マンションの築年数で検索して1981年6月以降に建設されたマンションを購入すると確実です。
耐震工事はマンション全体に行うことになり、部屋ごとに行うことはないため、工事にかかる費用面からの問題で、耐震対策が進んでいない場合もあります。
仮に購入を検討している物件がある場合は、耐震基準を満たしているかについて、不動産屋さんに聞けば教えてもらえますし、もし揉めているような場合も、不動産屋さんに聞くと、状況が分かることもあります。
入居が決めてからローンなどとは別で、耐震の費用として数万、数十万円出してほしいと言われることもあり、買おうと思っていた家具が買えなくなったり、リノベーションにかかる費用を見直さなければならなくなることもあります。
新しくマンションを購入して、こんな部屋にしようと考えていても、耐震工事の費用によって考えていた通りの部屋にできなくなることを避けるためにも、事前に確認しておくことをオススメします。
以前書かせていただいた、リノベーション前提で中古マンションを購入する時の15の注意点にも挙げていますが、中古マンションを購入する際は、現在の耐震基準を満たしているかの確認は必須と言えます。
不動産屋さんなどに聞けば、立地などで地震が多いかどうかやそのマンションの耐震工事の状況なども教えてもらえる場合が多いので、しっかりと確認することをオススメします。
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